通信教育の基本は「いつでもできる」というものです。それは忙しい社会人でも時間を見つけてコツコツ学ぶことができるというものです。どこかに通うというようなまとまった時間が確保できない人でも、学習を継続することができるのです。
ただ、その「いつでもできるから」という状況自体が自分自身に対する「甘え」になり得るものです。「いつでも学ぶことができる」という状態は「今はやらなくても後でできる」ということなのです。これがどこかの教室に通ったり、講義を受講したりしているような状況では、「その時にしか聞けない」講義があるので、その時間に集中することになります。限られた時間、その時にしか得られない知識があるから、人はその時間に集中するのです。ましてや費用を支払って自ら通っているということであれば、その授業、その講義自体に「コスト」がかかっていて、見逃すと、聞き逃すともったいないのです。
ですが、通信教育の場合であれば、そこに手にとって見ることができる「教材」があります。手にとってページをめくることができる教材があるのです。「モノ」がそこにあれば、それらに対する「費用」だと捉えることができます。その「モノ」がそこにあれば、いつでも学ぶことができるのです。いつでも学ぶことができるから、その時間にやりたくなければやらなければいいのです。そのようなことを繰り返すと、気がつけば教材だけそこにあって何もしていないということになってしまいます。ですが、「モノ」としての教材を手にしているため、不思議と「もったいない」という意識は湧いてこないのです。
ですが、勘違いしてはいけないのは、「その費用」はその教材を買うための費用ではないのです。その教材を手にすることが目的でその費用を支払ったわけではないのです。その費用を支払ったのは「学ぶため」です。その物事を「習得するため」です。そのためにコストをかけたはずなのです。
学習においてもっとも重要なことは「習慣化」することです。習慣化することで、その学習を実践しなければ「気持ちが悪い」という境地に達することです。「いつもやっていること」であれば、その学習を継続することができるのです。「たまにしかやらない」、「いつもはやらないけれど、今日はやってみた。満足だ」ということであれば、その学習は遅々として進まないでしょう。
そのようなことにならないように、学習する習慣をつけることが通信教育を受講するうえでは重要なのです。自分で自分のペース組み立てること、自分で自分のサイクルを作り上げること、それが通信教育を効果的に進めるコツです。ポイントです。
決して「教材が届いた」ということで満足しないことです。教材があるからこれで良いとか、手元にあればいつか学べる、いつかやる気になれると思わないことです。やる気になったからそれらの教材を取り寄せたはずで、やる気になったからその学習を開始したはずなのです。初志貫徹、続けるためには自分の「意志」が必要です。自分に対して「甘える」ということが常態化すれば、永遠にその物事を習得することはできません。なぜ学びたくなったのか、なぜ知りたくなったのか、それをはじめることにした「きっかけ」を常に忘れないようにしたいものです。